明暗

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好きだけど……。 耳元に何度も口付けられ、もどかしくて寝返りを打つ。 やっぱり唇にして欲しい。 頬にかかる髪を掬う手がくすぐったくて、目を閉じた一瞬に与えられる期待通りの優しい口付け。 このままずっと触れ合っていたい……。 「キャー、もうこんな時間。吉岡さん、朝ですよ」 チラリと見えた目覚まし時計に、慌てて飛び起きた。 時計の針はすでに7時半。 昨日は夕飯を作れなかったから、朝ごはんはと思っていたのにまさかの寝坊。 目覚ましが鳴ったことにも気付かなかった。 .
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