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｢変わらない、の｣
｢え？｣
｢今までと、何も｣
つばさくんはかわいらしく首を傾けた。
夏目君に想いを伝えて、わたしは彼の恋人になった、はずだった。
けれど、彼の妹だったときと今と、何が違うのか。
正直なところ、分からずにいた。
｢あの、つばさくん｣
わたしは声量を最小に落とし、気になっていたことを彼女の耳元で尋ねた。
｢――｣
つばさくんは戸惑ったような顔でわたしを見て、そうだなあ、と再度首を傾げた。
｢たぶん、したいんじゃないかな｣
｢そっか…｣
｢側にいたいとか、手を繋ぎたいとか、そういうのと同じだと思うよ｣
恋人としかしないようなこと。は、今のところ何もしていない。
上手く言えないけれど、それはよくないことのような気がする。
｢ケビンさんが君を大事にしているのは、傍から見ていてもよく分かるし。焦ることはないと思うな｣
｢うん…｣
つばさくんの言うことは正しい。なのにどうして、不安は消えてくれないんだろう。
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