陽炎

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そこで目が覚めて、わたしは自分が泣いていることに気が付いた。 つばさくんはまだ眠っている。 わたしはそっと涙を手で拭いて、瞳を閉じた。 昨日の夜、夏目君にメールした。 話があるから会いたいと、そう伝えた。 すぐに返信があって、待ち合わせ場所に水族館を指定された。 それは、夏目君と初めて二人きりで出掛けたところだった。 今日の一時に、会う約束をしている。 何をどう話せばいいか、分からない。けれど、ひとつずつ、全てを話そうと思う。 例え、夏目君がわたしを軽蔑したとしても。夏目君には、全部、知っておいてほしいと思う。
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