陽炎

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つばさくんの家に置いてもらって、もう四日目になる。 早く夏目君に謝らなくてはと思うのに、何て言ったらいいかわからないまま、日にちばかりが過ぎてしまった。 その間つばさくんは、バイトに行ったり、調べもので大学に行ったりと、むしろ日中は家を空けていることの方が多かった。 好きに使ってくれて構わないから、と言われた部屋の中、最初の二日はずっとこもっていた。 何も考えることができなくて、ぼんやりしたり、つばさくんに借りた本を読んだりしていた。 とにかく何も頭に入ってこなくて、本はただの字の羅列にしか見えなかった。 わたしは彼に、自分のことを何も話していない。 昔わたしがどんなに弱くて、卑怯だったか。 話して、嫌われるのが怖かった。 でも、隠し事をしたまま、上手くやっていくだなんて、結局無理だったんだな…。 拒んだのは本意ではないと、説明しないといけない。 けれど、説明したら嫌われてしまうかもしれない。 どうしたらいいのか、よくわからなかった。
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