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夕方仕事を終えると、一応吉岡さんと専務にエミリーさんの部屋に行くことを告げ、興味津々ののりちゃんに手を振ってオフィスを出た。
なんだかやっぱり緊張する。
吉岡さんが大丈夫だって言ってくれたけど、本当に大丈夫なのかちょっと自信がない。
2人の気持ちは本物だと思うから、ちゃんと話し合って幸せになって欲しい。
「里中さん」
声のしたほうを振り返ると、通りの向こうから信号を渡ってくるフランクさんが大きく手を振っている。
「フランクさん」
「会えてよかった。1人だと緊張してしまって……」
当事者のフランクさんははにかんだ笑顔を浮かべていた。
エミリーさんは意外と頑固だし、妊婦だということも踏まえたらあまり強く出ることも出来ない。
はっきり言ってフランクさんのほうが分が悪い。
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