1713人が本棚に入れています
本棚に追加
「実はエミリーの気を引きたくて必死に勉強しました」
「なるほど」
愛の力は偉大だ。
必死で日本語をマスターして、3年かかってようやくエミリーさんを口説き落とし、一緒に暮らすようになって1年らしい。
それだけ頑張ったのに、簡単に出て行かれてフランクさんが納得するはずがない。
そこまで出来るくらいだから、きっとフランクさんは簡単にエミリーさんの考えを受け入れたりはしないだろう。
「頑張りましょうね」
「えぇ、頑張ります」
部屋の前で大きく深呼吸してノックすると、緊張気味のエミリーさんが扉を開けてくれた。
「どうぞ」
「失礼します」
フランクさんと一緒に中に入ると、そこにはすでにキャリーバッグが用意されていた。
もう荷造りも出来ているらしい。
.
最初のコメントを投稿しよう!