会話は大事

28/36
前へ
/36ページ
次へ
「実はエミリーの気を引きたくて必死に勉強しました」 「なるほど」 愛の力は偉大だ。 必死で日本語をマスターして、3年かかってようやくエミリーさんを口説き落とし、一緒に暮らすようになって1年らしい。 それだけ頑張ったのに、簡単に出て行かれてフランクさんが納得するはずがない。 そこまで出来るくらいだから、きっとフランクさんは簡単にエミリーさんの考えを受け入れたりはしないだろう。 「頑張りましょうね」 「えぇ、頑張ります」 部屋の前で大きく深呼吸してノックすると、緊張気味のエミリーさんが扉を開けてくれた。 「どうぞ」 「失礼します」 フランクさんと一緒に中に入ると、そこにはすでにキャリーバッグが用意されていた。 もう荷造りも出来ているらしい。 .
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1713人が本棚に入れています
本棚に追加