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「いや、一緒には行ってないけど」
「えっ、そうなんですか?」
ということはエミリーさんは最初からずっと1人で出掛けていたってこと。
もしかしたらちゃんと食べてないかもしれない。
仕事はあんなに出来る人なのに、なんて不器用なんだろう。
翌日から出社すると言っていたエミリーさんは、結局それから1週間休むことになった。
本人は納得していなかったけど、片桐専務が『休まないと契約を切る』と言った一言が効いたらしい。
だから私は少しホッとした。
実はエミリーさんの部屋を訪れたとき、往診してくれたお医者様が気になることを言っていたから。
それはエミリーさんに誰にも内緒にして欲しいと言われたからまだ誰にも言っていないけど、今休んでおかないと後々大変なことになってしまうかもしれないと思う。
「でも、里中さんがいてくれて本当に助かったよ。エミリーを陰ながらサポートしてくれてなかったら、今頃大慌てしてるところだったよ」
「いえ、私は何も……」
とりあえずエミリーさんが抜けた穴は私とのりちゃんがなんとか埋めることが出来ているんだけど、彼女の仕事量はとても多いから、最近はのりちゃんと2人で残業続き。
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