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でも専務と吉岡さんは私たちよりもっと忙しそう。
これだけ仕事をしていたら体調も崩すレベル。
あんな状態なら尚更。
また1ヶ月もしないうちにパリに行ってしまうお手伝いというのは少し複雑ではあるけど、これも吉岡さんのため。
大きな仕事をしている吉岡さんは、3ヶ月前に日本を発つときとは比べ物にならないくらいいきいきしていて、更に男らしさに磨きがかかったよう。
そんな吉岡さんが私を選んでくれたことがまだ夢みたい。
さっきも下唇をちょっと噛んだまま書類を読んでいる姿に見惚れたばかり。
出来ることなら私もついて行きたいな。
そんなことを考えながら一息ついたところで、見ていたかのように内線が鳴った。
「はい、秘書課里中です」
『受付ですが、エミリーさんにお客様がいらっしゃってます』
「今日はエミリーさんはお休みなんですけど、どなたですか」
たしか日本にお祖母さんがいるって吉岡さんから聞いたような気がする。
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