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白ぶちサングラスに、海でも行ったのだろうか黒く焼けた肌。
見上げるほどに背が高いその男は、紛れもなくいい男だった。
「何、そのアホ面。」
「アホ…!?」
なんて失礼な男だろうと思った。
だけどそんな私を気にすることなく、男は口を開く。
「なあ、俺と一緒に来いよ。」
「え?」
「笑わせてやるよ。泣く暇なんかないくらい。」
「何言ってーーー」
「ほら。」
「…っ…」
どうしてかは分からない。
駄目だと、行くなと頭の中で警報が鳴る。
なのに
「来いよ。」
名前しか知らない、数分前に会ったばかりの男の手を、差し出されたその手を私は掴んでいた。
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