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「…あった。」
やっと見つけた出口。
だけど扉のすぐ横に立つ男。
「嶺……。」
「なあ、雅?」
嶺は、返事も出来ないまま立ち尽くす私に少しずつ近付いてくる。
「お前、どうしたいの?なんで今日俺にキスしたの?なんで着いてきたの?」
距離がどんどん縮まって、暗闇に目が慣れてきて嶺の顔が少しずつ見えてくる。
だけど少しぼやけて見えるその顔から表情は読み取れなくて。
「…知らない。」
やっと出た言葉は、弱々しくて今にも消えてしまいそうだった。
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