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いきなり聞こえた嶺の声。
さっきとは違う優しい声にまたもやもやが大きくなるのを感じた。
「みーやび。」
嶺の声に応える事も出来ない。
「気にすんな。俺がイケメンなのが悪い。」
「…っ」
『 嶺なんか嫌い。今日私がおかしいのは全部全部、嶺のせい。いつもの私はこんなんじゃない。』
『そうだよ。雅は悪くない。』
『俺がイケメンなのが悪い。』
ドクンと、心臓が高鳴る音がした。
「ごめんなさい。」
さっきまで言えなかった言葉が、するりと口からすべり落ちるように出た。
車の中と外、聞こえたかなんて分からないけど嶺は笑ってドアをあけてくれた。
その時小さく聞こえた、いいよって言葉。
聞き間違えではないはずーーー。
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