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「好、き…?」 確認するかのように呟いた言葉はあまりに小さくて、弱々しくて、今にも消えてしまいそうだった。 「………。」 ゆっくりと離れていく身体。 だけど、しっかりと私の身体に残る嶺の熱が、私の思考回路をおかしくさせる。 「嘘言わないで。嶺が好きなはずない。 だって、だって嶺には彼女が………っ」 言いかけて思い出す"彼女"の存在。 嶺には、彼女がいたんだ。
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