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本当に今更だった。
だって俺あの日の夜、本当は全部気が付いていたんだ。
彼女の心が離れている事にも、
それから、彼女が本気で嫌がってる事にも。
俺、わりと勘は良い方だから。
分かってて、知ってて、その上で腕力にモノを言わせて押しきった。
既に壊れてる関係なら、嫌われようがどうなろうがどうでも良かった。
あの時俺、彼女を彼女としてなんか見てなかった。
好きだったから押しきったんじゃない。
どうでもいい女。
そこに心なんか無かった。
イライラと性欲を鎮めるための単なる自分勝手な行動に、手近に居た彼女を使っただけ。
それがあの時の俺の真実で、だから"それ"を彼女に言い当てられた時、彼女の目を見ることが出来なかった。
燻っていた後ろめたい気持ちが、一気に押し寄せる感覚。
そして、今もまだそれは現在進行形のままで、
あのこじんまりした黒い瞳に、自分のどろどろな中身を見透かされるが正直怖かったりする。
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