真実と嘘

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「…さっき…相手の不幸になると分かってたら嘘を貫き通すって言ったけど… その大袈裟な例も同じ?」 「勿論、相手を大切に思うからこその嘘だ」 「大切な人に真実を隠すのに、罪悪感はないの?」 「罪悪感だけで真実を明かすのは、その相手を本当に必要とはしてないからだよ。人が真実を求めるのは当然の事。だけど、その心のどこかで真実を知りたくないとも思ってる。真実は時に人の心を破壊する…。疑いが消せなかったとしても、嘘を信じる事が救いになる時もある。…人間って弱いからな」 真実を話して欲しいと言った翔太… 真実を受け止めると言った翔太… その言葉を彼はどんな気持ちで口にしたのだろう…。 翔太の顔が浮かび、心臓をグッと捕まれた様な痛みが走る。 頬杖を外し、テーブルの上でグッと手を握り合わせた。
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