9. 好きの定義

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「私は…え~、きっかけかぁ。そうだなぁ…。」 う~ん、と唸りながら、 記憶を手繰り寄せているようだ。 「好きなんだなって思ったのは…彼からの連絡に一喜一憂してる自分に気づいた時、かな…。」 「あー、分かる!!メールしたけどなかなか返事が来ないな、とかね!なんでもないメールくれたりすると嬉しいし。」 菜央がはしゃいで同調する。 「あとは…やっぱ、気付いたら彼の事ばっかり考えてたりした時かな?」 照れ笑いを浮かべながらも、その表情はどこか幸せそうで。 美咲は今、幸せなんだな… そう、心から思えた。 「な~んか、幸せそう美咲!」 菜央も私と同じ印象を持ったんだろう。羨ましそうにボヤく。 「結婚は?決め手とかあった?」 続けて菜央が聞くと、 「決め手というか…付き合って四年経つからね。一緒にいるのが当たり前で…彼ナシの生活は考えられなかった、かな。」 慎重に言葉を選びながら美咲は答えた。
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