9. 好きの定義

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じゃあ…高梨は? さっきは美咲に、 他に気になる人でもいるの?って 聞かれて、 いないよって答えた…けど。 ウソだ。 あの夜以来、高梨のことを気にしてる自分がいるのは明白だった。 昂くんといても、 どこかうしろめたくて。 昂くんと過ごす時間は楽しくてあっという間に過ぎていくけど、 帰ってから。 ふと思い出すのは、 傷ついたような、哀しい瞳を浮かべた高梨の顔…。 あいつを傷付けた罪悪感のせいなのかもしれないけど…。 高梨のことを考えてばかりの自分もいる。 惹かれてる…のかな。 好き…なのかな。 昂くんよりも? …ちゃんと会って話をした方がいいのかもしれない。 高梨と。 自分の気持ちを見極めるって決めたんだから、 あいつから逃げてちゃダメなんだよね。 何を話せばいいのか分からないけど。 今度、いつもの店に行ってみよう。…来てるかもしれないから。
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