10. もつれる糸

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ー分かった。アイツのマネをしよう。 ガバッと起き上がり、メールを打ち送信した。 『今から家行くから。15分位で着くよ。』 有無を言わせない強引な手法。 たまには見習ってしまおう。 私は携帯をバッグにしまうと、残っていたビールを飲み干し、早々と会計を済ませた。 「あれ、もう帰っちゃうんスか?」 店員さんの声が飛んできたけど、 ごめんね、と手を合わせるジェスチャーだけしてお店を後にした。 ー手ブラで行くのもヘンかな。 そう思って、途中コンビニへ寄る。 缶ビールとおつまみを数種類買って外へ出た。 うー、寒む…。 12月半ば近くなると随分冷え込んでくるものだ。 思わずマフラーを口元まで寄せた。 歩きながら携帯を見るけど、高梨からの返信はない。 ーいなかったりして。 そしたら、コレ置いて帰ればいーか。来たよって証にはなるもんね。
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