10. もつれる糸

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はぁ、と今日何度目かの溜息をつきながら立ち上がって再び目を高梨の方へ向ける。 …!! 驚いて、バッと顔を高梨達から背けるように戻す。 壁に背をつけて、 そのままズルズルとずり下がってしゃがみ込んだ。 口元を左手で覆う。 ……。 キス、してた。 言いようのない感情が、身体中を支配していき、身動きが取れなくなった。 心臓がバクンバクン、脈打つ。 身体中が心臓になっちゃったんじゃないかってくらい。 ーそういうことなの?高梨。 私じゃない、誰かといることを選んだの?
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