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少なくとも、さっきのキスシーンは。
正直、ショック、だった。
でもこれが、逆に昂くんだったら?
昂くんが他の人とキスしてるの見ちゃったら?
それだって、やっぱりショックだよね…。
いつまで宙ぶらりんでいるんだろう。
それが嫌で、何か答えを見つけたくてココへ来たのに。
……。
固まっていた身体を静かに立ち上がらせ、再度、高梨の様子を伺った。
アパートの敷地の入口で、まだ高梨は突っ立っている。
スー、ハー、と大きく深呼吸し、
私は一歩、前へ踏み出すことにした。
勇気を出さなきゃ。
いつまでも逃げてちゃダメだ…。
時を延ばしても何の解決にもならない。
ジャリっ、とヒールで砂を踏む音が響き渡る。
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