10. もつれる糸

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「はい、お湯割り。」 トン、とテーブルにグラスが置かれるとそれを手に取り、指先を温めた。 「あったかい…。ありがと、いただきます。」 高梨のグラスにカチンと合わせて一口飲んだ。 体の中がじんわりと温まってくる。 「メール、さっき気付いたよ。…ひかりさん、今日はなんで来たの?」 下を向きながら尋ねてきた。 そう言われるとなんだか答えづらいけど。 「…あれ以来、マトモに話してないじゃない。私の事、避けてたでしょ?」 「……。」 だんまり。 私と視線を合わせようとはしてくれない。 「…あの日、ワインとグラス届けに来てくれたんだね。ありがとう、嬉しかったよ。」 お礼も言えてなかった。 ようやく言えた事に妙にホッとした。 高梨は顔を上げて私をじっと見つめてくる。
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