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最初から自分の気持ちがハッキリ分かってれば、こんなにこじれなかったのに。
昂くんの事だって。
大好きだった彼をまた手放すのが怖かったんだ…。
別れた時の辛さが甦るから。
どうしようもないくらい、自分勝手だ…。
大切なのは変わらないし、
多分今でも、好きなんだとも思う。
けどそれは、やっぱり過去のもので。
どんなに今の昂くんと向き合おうとしても、
昔が過る。
それでもいいって人もいるだろう。
でも私は。
昂くんよりも、高梨の存在がいつの間にか大きくなっていたんだ。
ー気付かなかった。
自分の気持ちに、鈍感すぎたよ…。
絡み合って解けなくなった糸は、切ってしまえばいいけど。
男女関係においてはそんな簡単に切れはしない。
突然切られても、気持ちが追いつかないからだ。
ーねぇ、高梨。
もう、一緒にはいられない、んだね?
その事実に、打ちのめされて。
また眼から熱いものが溢れてきて、止まらなくなったー。
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