9. 好きの定義

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「んじゃ、一応空けといて。行きたいライブがあるんだよ24日。」 「…うん。ライブって誰の?」 動揺したせいか、心なしか頬が熱くなるのを感じながら、平静を装いつつ尋ねた。 「実はもうチケットだけとってある。」 そう言って、財布の中からチケットを二枚取り出し、見せてくれた。 「あ…!」 思わず言葉が出なくなったのは、 そのライブをやるのが、私達が高校時代よく聴いてたバンドだったからだ。 一度解散したけど、最近になって再結成したバンドだ。 「これ…めっちゃ行きたい!」 興奮気味に昂くんの顔を見ると、 「だろ?絶対喜ぶと思った。ま、俺もすげー楽しみだけどな。」 口の両端を上げて目も細める昂くんは、とても嬉しそうで。 私もすごく嬉しくなった。 昂くんの笑顔を見てると、私の心まで優しくなる。 それ位、彼は穏やかだった。 昔よりも、それは増したような気がする。 クリスマス、楽しみだな…。 自然と頬が緩むのを感じながら、 ピンク色のカクテルを味わった。
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