僕のための君

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「好きなんです! つきあって下さい!!」 わりと言われ慣れたセリフだったが、男に言われたのハジメテだ。 俺は目の前で顔を真っ赤にしている男を凝視した。 「知ってんの? 俺、メンドーなコト大嫌い」 「知ってます! 来る者拒まず、去る者追わず。恋人らしいことを強要しようものなら容赦なく切り捨てる!」 ……ヒッデー言われようだな。 まあ、間違いじゃないし、反論はできねーが。 「それでもいいわけ?」 「はい! 好きなんです!!」 「……いいけど?」 つきあうのはメンドーだけど、断ってつきまとわれるよりマシ。 別にしたいようにさせておけばいっか。 どうせ、そのうちコイツも飽きるだろうし。
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