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女子のわたしでも見とれるほど、 きれいで整った顔をした この若い社会科教師は、 この学園に通う多くの 女子生徒たちを虜にしていた。 澄んだ、優しい声。 少しだけ猫背な、すらりとした長身。 そして何より、…… この吸いこまれそうな、琥珀色の瞳。 「……なに」 ギクリ。 ブースの中を見ながら、 わたしの視線にも反応するなんて。 春山先生ってやっぱり手ごわい。 「あの…読み終わりました」 「決定でいい?」 「はい」 「ん」
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