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板東先輩は、 わたしの放送のファンだと 言ってくれた、 一番最初の人だった。 金曜日の『恋パラ』を 担当するようになって、 ――確か、三度目の放送の時。 先輩は、放送部に突然やって来た。 そして、わたしの話し方や声が どんなに素晴らしいかについて 延々と語ったかと思うと、 その日はさっさと帰って行った。 先輩がサッカー部のキャプテンで、 学校の中でもスター的存在だと いうことを知らなかったわたしは、 『顔はカッコいいけどヘンな人が来た』 程度にしか考えていなかった。 その後、 板東先輩はわたしを見かけるたび、 優しく声をかけてくれるようになった。 そして……。 全く同じタイミングで、 沙希先輩からの風当たりが強くなり始めた。 それが嫉妬によるものだと気づいたのは、 ずっと後になってからだ。
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