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……けっこう色んなこと、 言われたよなあ……。 ブスとかチビとかウザ女とか……。 ぶつけられた言葉をあれこれ思い出し、 憂鬱になりながら歩いていると、 すぐ後ろで自転車のブレーキ音が響いた。 「萌っ」 驚いて振り向くと、 万優架が二人乗り自転車の後ろから 顔を覗かせていた。 「やだあ、萌。 後ろからからずっと呼んでたのに」 「あ……ごめん、気付かなくて」 「しかも、歩くの遅っ。 まだこんなとこにいたの? 私より先に部室出て行ったのに」 自転車の前に乗っているのは万優架の彼氏。 同じクラスの雪村俊輔 (ゆきむら・しゅんすけ)だった。 「萌ちゃん、今日もマジカワイイねッ」 お調子者の雪村くんは余計な事を言って、 万優架にポカリと頭を叩かれている。
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