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  昼休みを告げる チャイムが鳴ると、 わたしはいつものように 荷物を持って席を立った。 「お、椎名、がんばれよ!」 「萌、いってらっしゃい!」 みんなの声に笑顔で応え、 足早に教室を出る。 時計に目をやると、 本番8分前だった。 時間は充分にある。 廊下を折れ、ふと顔を上げると、 前方からやって来るスーツ姿の 人影に気づいた。 心臓がドクンと跳ねる。 ――春山先生……。
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