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『1-A椎名萌。至急、 放送部室まで来るように』 学年主任の小林先生の声で 呼び出しの放送があったのは、 ほんの5分ほど前のことだ。 てっきり小林先生がいると思いきや、 意外にも待っていたのは春山先生で、 ――いつもなら嬉しくて 胸を高鳴らせるところだけれど、 今日はとても そんな気分にはなれない。 「坂口から、連絡あった?」 わたしが座ると、 先生はいつもの ポーカーフェイスのまま 訊いてきた。 「こちらからメールして、 一度だけ返信が来ました。 大丈夫だから心配しないで、って。 ……迷惑掛けて、ごめんって……」
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