空虚な毛

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右足を前に出し、鳥居を潜る。 車が走る音や、人が地面を踏み締める音は薄れ、風に吹かれる木の葉や、下草の揺れる音が大きくなった。 女の子は、騒がしい世界から、静かな世界へと変わる瞬間が、とても気に入っている。 まるで、異世界に来たような気分になれるからだ。
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