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「っはぁ!!はぁ…はぁ…はぁ…。」
朝日が差し込む部屋。
部屋の中には、夢のせいなのか、汗だくの少年が一人。
その顔立ちは、少年と言うよりも少女に近かった。
「今のは…夢…?それにしても、あの子は、森本か?」
少年は先ほど見た夢について考えていた。
どこかリアリティのある夢。
あの風景は確かにこの街、村川市だった。
しかし、村川市だと思えば思うほど、少年にはわからなかった。
本来、夢というのは、脳の記憶整理時に起こる現象の一種だからだ…。
「…まあ、いいや。兎に角、学校に行かないと。」
少年がそう言うと、部屋の外から「薫ー。ご飯出来たよー!!」と言う声がする。
「今行くー。」
薫と呼ばれた少年は慌てて汗だくの部屋着を脱ぎ捨て、制服に着替える。
この少年の名は、桐生薫。都立・黒月高校に通う、二年生。
所謂、平凡な高校生だ。
「はぁ…確か今日、例のクラス新聞出るんだよなぁ…。」
何故、彼がこんなに憂鬱になっているのかと言うと。、今日発行されるクラス新聞が原因である。
特に、とあるコーナー。
「行きたくないよ~。絶対に嫌な結果だよ~。」
しかし、現実は実に無情である、休む理由が思いつかないのである。
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