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「でしょ? 君ならそう言ってくれると思ってたよ、古本幸恵さん。陸が会いたがってたよ」
一瞬で真っ赤になった私に、藤堂部長のお兄さんはニヤリと笑った。
「振られちゃったらしいけど……。あいついい男だよ?」
「知ってます。でももっといい男捕まえたので……」
珍しく、恐らくありさも見たことないはにかんだ表情でをしていたと思う。
「そっか。じゃあまたね。一応仕事の打合せに来たんだよね」
ウィンクをひとつ投げて、藤堂部長のお兄さんは悠々と社食を出ていった。
真っ赤な顔の私を社食の真ん中に残して。
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