正々堂々

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そっと笑顔を向ける海翔さんが、これまで以上に愛しく見えた。 前回"藤堂追っかけシスターズ"に絡まれた時もこうやって助けてくれたら良かったのに……。 今更言ってもしょうがないけど……。 海翔さんに腰を支えられながら、休憩所を出て営業部に向かう。 一緒にオフィスに入るのはやっぱり緊張する。 ちょっと立ち止まって、少し時間をずらして入ろうと思ったのに、海翔さんにはすっかりお見通しだったらしく、腰に回した手に力が込められ、無言の圧力で却下された。 流石に営業部に足を踏み入れる頃には、背中にあった手はなくなっていたけど、それでも距離が近くてドキドキする。 そんな私の緊張などお構いなしに、澄ました顔で海翔さんは部長室に入っていった。 .
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