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「それから、皆も知っていると思いますが、須藤ありさは私の大事な人なので、彼女も連れていきます。以上」
海翔さんが当然のことのようにサラッと言った一言に、思わず驚いて立ち上がってしまった。
「一緒に来てくれるだろう?」
会社のしかも大勢の人の前でそんなこと言われたら、真っ赤になるだけでは足りなくて、目眩さえ起こしそう。
さっきの『会社辞めてくれないか?』の意味が今やっと解った気がした。
言葉が足りな過ぎです、海翔さん……。
気がつけば、海翔さんが目の前まで歩み寄っていた。
会社では誰も見たこともない優しい眼差しで私を見つめ、そっと手を取った。
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