1人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
心のどこかで「これは思春期特有のアレさ」なんて思っていたけど、これからもずっと自殺志願者は「自殺志願」と末永く付き合っていくことになる。
さながら、長年の親しい友人のように。
でも、世界中の貧民がばたばたと倒れていっているのに、「死にたい」なんて甘えた弱音を吐く自殺志願者が死なないのは、もう皮肉を通り越して滑稽、つまり不謹慎だった。
「死にてえなあ」
決まり文句のようにぶつぶつとそれを呟く自殺志願者は、通行人から奇異の視線を向けられていることにまだ気付かない。
最初のコメントを投稿しよう!