自殺志願者(ぼく)

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 心のどこかで「これは思春期特有のアレさ」なんて思っていたけど、これからもずっと自殺志願者は「自殺志願」と末永く付き合っていくことになる。  さながら、長年の親しい友人のように。  でも、世界中の貧民がばたばたと倒れていっているのに、「死にたい」なんて甘えた弱音を吐く自殺志願者が死なないのは、もう皮肉を通り越して滑稽、つまり不謹慎だった。  「死にてえなあ」  決まり文句のようにぶつぶつとそれを呟く自殺志願者は、通行人から奇異の視線を向けられていることにまだ気付かない。
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