第1話~入学~

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マスミツ「向町!?どうしてここに」 向町「別に。私が来ちゃいけない場所かしら?」 マスミツ「いやそんなことは無いけど……」 向町「まあいいわ。あと、球速勝手に変えて悪かったわね」 マスミツ「お前がやったのかよ……でも、どうして」 向町「深い意味は無いわ。なんとなくわかったし」 マスミツ「ん?なにがだ?」 向町「あとこれあげる。これで貸しはなくなったわよ」 そう言って向町はピンと音を立てて自分にコインのような物を指ではじいた。 マスミツ「これって……」 向町「これでもう1ゲーム出来るから。100キロだろうと140キロだろうと好きにすればいいわ」 マスミツ「でもこのコインってホームランの的に当てなきゃ貰えないんじゃないのか?」 向町「バカじゃないの?私が打てる訳ないじゃん。……まあ、あんたには関係ないことだしいいか」 マスミツ「バカって…」 向町「じゃあ、あたしの用事は済んだから。邪魔して悪かったわね」 マスミツ「お、おう。また明日な」 向町「……」 返事を返すことなく向町は去って行った。 マスミツ「しっかし、なんで向町がこのコインを・・・」 本当にホームランを打ったわけじゃないのなら、誰かにもらったか、それとも…… マスミツ「あ、そういや」 まだあったか。このコイン貰う方法が。 マスミツは施設内の一番奥に向かった。 マスミツ「誰かにもらったんじゃないならこれで貰ったってことだよな……」 奥にひっそりと置かれた一枚のボード。九分割されたいわゆるストラックアウト型のピッチングマシンだ。 壁に掛けられた張り紙には、「パーフェクト達成者にはコイン3枚贈呈!!」と書かれていた。 マスミツ「これでパーフェクト獲ったって訳か・・・」 試しにやってみることにした。 300円入れて12球中9枚当てればパーフェクト。 2枚抜きは無く4球以上失敗しても 全球投げられるルールだ。 あとスピードガンも付いているようで球速も表示されるようだ。 マスミツ「よし。5枚は当てたいな」 最初の1球目。思いっきり投げた。が、ボールは高めに大きく外れた。 2球目。今度はゆっくり目に投げる。 マスミツ「ああっ!フレームかよ!」 1番と2番の間のフレームに当たってしまった。 そこからコースを狙って投げ続けたもののたまたまど真ん中に行った5番と ワンバウンドで当たっちゃった7番の2枚しか当たらなかった。
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