第1話~入学~

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実況「さて、本日のヒーローは益田!今日の試合を決定づけるサヨナラホームランを放ちました!・・・お送りしてまいりました試合は――」 自分の入った中学の野球部は、何と言えばいいか、その、部として成り立っていなかった。 これは自分から見ての話なのだが、1年の時に見学した際部室はグチャグチャ。 練習もほとんど適当で顧問も週に1、2回見に来るか来ないかのやる気のなさに嫌気がさしたからだ。 野球部に入ろうと思ってばかりだったためその野球部に入るのをやめたあとに他の部活をする気にもならなかった。 こうして、夜通しパワ○ロ三昧の生活を3年間過ごしてきた。野球ゲーム以外にもいろいろと他のジャンルのゲームに 手を出しては来たけど結局パワ○ロが一番やっていて楽しいゲームだった。 マスミツ「そろそろ寝ないと」 部屋の目覚まし時計は12時近くを刻んでいた。意外と長かった春休みもいよいよ終わり明日から高校生活が始まる。 ゲーム三昧とは言ったがこれでも学業の成績は中の上、上の下辺りをキープし続けてきから受験勉強の時もパワ○ロ禁止令を 親から出されることなくやり過ごせた。 プレステの電源をきちんとデータをセーブしてからOFFにしてベッドの中に潜り込む。 一応、今回も野球部を見学してみよう、とは思っている。 自分が行く学校は公立校なので甲子園をバリバリ目指すとかじゃ ないはずだし、運動をあまりしない自分でも練習についていけるかもしれないからだ。 そんな期待をしつつ、眠りに就いた。 ~次の日の朝、マスミツの通う高校内~ 予定通りの時間に家を出て学校に着いた。高校は家から歩いて20分程度の場所にある。 ちなみに高校名は県立千浜高校。志望動機は「家から近いから」だ。 そこそこの学力と自分の住所が学区内にさえあれば誰でもはいれる学校だ。 一応中学時代の友人も数名同じくここに通う予定だけど、初日だし一人で行ってみることにした。 校門をくぐり下駄箱前の掲示板に貼られたクラス分けの張り紙に書かれた自分の名前を確認して、 二階にある1-4の教室に向かった。 まだ集合時間まで30分あるが教室内には同じクラスであろう生徒が数名座っていた。 男子生徒「お、マスミツ!お前も4組なのか!」 その数名の中の一人の元気そうな男子生徒が自分に声をかけてきた。
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