2人が本棚に入れています
本棚に追加
それじゃあなと赤松は片手をあげて帰って行った。
そして一人で部室棟の方に向かった。
この学校は教室棟と部室棟の二つに大きく分かれている。
5分ほど歩き部室棟に着いて地図を見たところ、野球部は一階の一番奥にあるようだった。
そこからまた歩いて部室の前にたどり着いた。
部室のドアをノックしてみた。が、反応が無い。
マスミツ「あれ、もしかして今日部活休みなのか?」
一応ドアを開けてみる。普通にあいた。
答えは部屋の中にあった。入って見てぐるりと部屋を見た感想は
マスミツ「は?」
という一言だった。
向町「野球部ならないわよ。三年前に廃部になったんだってさ」
マスミツ「あ、えっと、向町・・・さん」
向町「呼び捨てでいいわよ。それより、益田君、野球やってたことあるの?」
突然入口のドア辺りに現れた向町に尋ねられた。
マスミツ「いや、やってたわけじゃないんだけどさ、昔から好きだったからちょっと覗いてみようと思って」
向町「ふーん。そう。それだけ?」
マスミツ「まあ、それだけだな。向町はー」
向町「やってない」
マスミツ「え?」
向町「私も知っているっていう程度だけ。友達から野球部が無いのは珍しいって聞いてたからちょっと覗こうと思ってみたら、あんたがいたから」
マスミツ「そ、そうか」
それにしては結構食い気味でまくし立てているような気もするが。
向町「じゃ、私行くから」
マスミツ「お、おう」
そういって向町は去って行った。
何もない空っぽの部室に一人佇み、これからどうするか考えてみた。
マスミツ「・・・ハア、仕方ない、帰ってパワ○ロでもするか」
少し不完全燃焼ではあるがここに居ても意味は無いので帰ることにした。
最初のコメントを投稿しよう!