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私は違うの?
何が違うの?
心の中で問いかける。
「嘘つきたくない。
嫌な思いをさせたくない。
悲しませたくない。
アキラには……そう思う」
真佑巳は両腕を伸ばして、「おいで」と言う。
困った。
戸惑った。
どうして私?
私は真佑巳に何もしてないよ?
珠希みたいに女に磨きかけてないし、優しくないし口悪いし、エッチが嫌だって拒否ったし、カレーしか食べさせてないし。
「アキラ」
「……うぅ」
真佑巳は、私の苦悶の表情を鼻で笑う。
「笑うな」
「だってさ。なんでそんな顔してんの?」
「言わない」
焦れたようにこたつから出た真佑巳は、私の傍に膝をついて、頭をそっと抱きこんだ。
「好きだ」
「……」
「アキラに出会って、本当の好きが解った。
理屈じゃない。
オレが今まで適当に遊んできたせいで、アキラに嫌な思いをさせた。
辛そうな顔をさせた。
そう思ったらオレまで苦しくなった。
好きな人には辛い思いさせたくない。
嫌われたくない。
そういうことなんだよ」
すごく、すごく胸が熱くなった。
同時にめちゃめちゃ痛くなった。
「アキラは何も悩まなくていい。
今のままのアキラでいてくれ」
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