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唇をおしあてたままで、真佑巳の指が私の衣服のボタンを外していく。
直接触れているわけではないのに、その指はとても冷たい──そう感じた。
ゆっくりとゆっくりと、真佑巳の指がおりていく。
不思議に、動悸が落ち着いてきた。
私は真佑巳が好き。
私も、もっと真佑巳と近づきたい。
心も、身体も……。
ベッドに横たわった私の上に、真佑巳がそっと体重をあずけてくる。
裸の肌と肌が合わさると、言葉では言い表わせないほどの喜びが、私の全身を包んだ。
涙がこみあげそうにさえなる。
真佑巳の匂い、体温、しっとりとした肌の感触。
──これが真佑巳なんだね。
好きな人の身体って、自分のそれよりもとてもとても愛しい……。
私はその重みをしっかりと受けとめながら、目を閉じた。
極度の緊張と疲労と、そしてちゃんと真佑巳とひとつになれたことの安心感で、私はとろとろとまどろんでしまっていた。
目を開けると、すぐそばに真佑巳の顔があった。
「明日、仕事だったんだよな。
オレは遅番だからいいけど。ごめんな、アキラ」
「今頃気づいても遅いし」
私は笑顔で嫌味を言った。
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