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「その男はアキラのことをただの同級生だなんて思ってない。
アキラに特別な感情を抱いてる。そうだろ?」
「なに言ってんの?
田浦に目をつけられて、クラスのみんなにも相手にしてもらえなかった私を可哀想に思ってただけだよ。
本当に──誠実を絵に描いたような人なんだって!」
「誠実ね……。
それだけで会いたいなんて言うもんか。
オレは男だから解る。
そいつはアキラが好きだ。
じゃなかったら、年賀状送ることすらしないね」
「違うって!
たとえそうだとしたって、私は真佑巳が好きなんだよ?
それじゃ駄目なの!?
もう会わないし、もう済んだことだよ?」
──どうして、こんなことになっちゃうの?
私は歯痒くてたまらなくなった。
どうして、責めるような目で見てるの?
私はそんなに悪いことをしたの?
「……会ってほしくなかった。
たとえ、アキラがその男のことを何とも思ってなくても。
何とも思ってないならなおさら……。
礼だけなら、会わなくてもできただろ?
けど、アキラも会おうって思ったのは、アキラだってその男のこと気になって──」
「やめてよっ!
真佑巳が好きだって言ってるのにどうしてそんなふうに言うの!
だったら、真佑巳はなに!?」
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