‡ 盲目 ‡

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  真佑巳の視線が落ち着きなく泳ぐ。 いつもの自信に満ちあふれた力強い瞳は見る影もない。 ──そんな目で見ないでよ。 まるで私が悪者じゃない……。 責めたいわけじゃないのに、気づけば堰をきったように言葉があふれだしていた。 「オレのせい? なんで!? 真佑巳、私に何をしたの!?」 感情が先走った私は、強い力で真佑巳の腕を引っ張る。 真佑巳はされるがままに、力なく身体を揺らした。 「彼女が言ったことは本当? 私と別れたら付き合うって約束……したの? 真佑巳。 彼女とは二度と関わらないって言ったよね? 彼女とは会ってないし電話もしてない。信じてくれって。 ドア越しに、彼女が一方的に私が男と逢ってるって叫んだんだって。 じゃあ……彼女が嘘を言ってるの? 私、そうは思えない。 彼女がそんな嘘つく理由がないから。 真佑巳が彼女をつなぎ留めるような何かをしたから、あきらめないんだよ。 違う!? 真佑巳、織人のことで私を責めたよね。本当のこと言えって。 真佑巳はどうなの? 本当のこと言ってる!? 真佑巳が彼女に復縁の約束なんかしたから『浮気女、最低』とか『消えて』とか──私はいわれのない嫌がらせされたんじゃないのっ?」   
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