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繁ちゃんにものすごく真剣な顔で『直子のこと本当に大切に思ってるから親に紹介したいんだ』って言われて、私、なんか解らんけど涙出ちゃったんだ。
初対面での繁ちゃんの印象って、めちゃめちゃカタブツで付き合いづらそうって感じだったんだけどね。
話してるうちに『あぁ、なんかいいなぁ。自然でいられるなぁ』って。
とにかく、誠実なのよ。
きっと織人くんタイプだね。
いつでも私のことを一番に考えてくれて、心配してくれて。
どんなに自分が大変な時でも、私の前では笑顔でいてくれるんだ。
『直子が笑顔にしてくれるんだよ』とか、照れながら必死で言ってくれてね。
それまで付き合ってきた男はなんだったんだろうって思った。
結局は自分が一番。
若いからってだけじゃないんだよね。
そういうのって、生まれついての性質なんだと思う。
繁ちゃんと付き合い始めてそんなに経たないうちに『あぁ、この人だ』って思ったんだよ。
なんかね、変な自信があった。
ずーっとこの人のそばにいよう。
繁ちゃんと一緒にいたら私はきっと幸せでいられるって自信。
不思議だよね。
繁ちゃんじゃなかったら、そんなふうには絶対思わない。
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