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直子は、真佑巳をあきらめろって言いたいのだろうか。
私の真佑巳に対する気持ちはまだ中途半端で、直子と渡部くんのように将来が見えているわけでもないから。
珠希といろんな話をして、珠希の必死さを肌で感じたのだろうか？
私なんかよりも強い強い気持ち。
なりふり構わない、わがままだけど一生懸命な恋──。
織人──。
私は、織人の気持ちをどれだけ理解できていたんだろう？
ううん。
きっとこれっぽっちも解っていない。
私も根っこの部分は珠希と変わらないのかもしれない。
身勝手で自意識過剰で、織人に対する思いやりの気持ちなんか欠片もなかった。
真佑巳を好きだという想いは嘘じゃない。
そばにいたいと思うし、真佑巳の喜ぶことをしてあげたいと思う。
それで私も幸せを感じることができる。
真佑巳だってきっと織人に負けないくらい優しい。
不器用なところもあるけど、それは私も同じで。
だからこそ惹かれるんだと思う。
『しばらくはアキラを思ってるよ』
織人の声が聞こえた気がした。
胸が塞がれる。
私は……。
私はどうしたいの？
「やっぱ悩ませちゃったか」
直子の声に我にかえる。
コタツの外に出ている、包帯にくるまれた自分の足をぼんやりと見つめた。
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