76人が本棚に入れています
本棚に追加
現在壇上のホワイトボードは白いスクリーンに覆われており、そこにはこの時間の講義を担当している筑島(つくしま)教授お手製のパワーポイントがプロジェクターを使って映し出されている。
筑島先生――ちなみにうちの大学では教授のことは教授や教諭ではなく、先生と呼ぶ傾向がある。
さっき教授といったのはある意味揶揄だ――は要所要所を手に持った指し棒で示しながら、マイクで説明をして授業を進めて行く。
放射状に広がった段々畑式に高くなる大学ならではの、大教室。
後ろから二番目の席に座っているため全体がよく見える。
見回すと、席は空いているところが多い。
ふと高校までの、小さい机と椅子がぎっしりと敷き詰められた狭苦しく堅苦しい教室を思い返し、それと比べた時のあまりの広さと開放的な配置に爽快感さえ感じた。
しかし残念なことにこの講義が昼休み前という時間配置で、しかも終了五分前ときては集中力が持続しているやつを探す方が大変だった。
最初のコメントを投稿しよう!