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考えていると余計に気が滅入り、僕は教授に気づかれないように机の陰に俯いた姿勢で、溜め息をついた。
それに二人の人物が目ざとく気がつく。
「ん? なんだぁ、進也。不景気にため息なんかついてよぉ」
後ろの席に座っている切間(きりま)が顔を出し、
「ひょっとして、まだ落ち込んでるの?」
左の席に座っている隼人(はやと)が心配そうに表情を歪める。
その二人に力なく笑顔を作って手を振り、何でもないとアピールする。
誤魔化すように携帯を取り出し、ついでに日付を確認した。
今日の日付はあの玉砕から数えて三ヶ月あまりたった、五月十四日、水曜日。
僕も四月を過ぎて、大学二年生から大学三年生になっていた。
そして僕は、二ヶ月の夏休みを終えて科目の履修期間を過ぎてさらに一ヶ月がたった今でも、美香ちゃんに振られた恋の痛手を癒しきれずにいた。
三連敗目だったし、今までで一番うまくいきそうだったし、結局あの告白以来すっかり疎遠になってしまったこともきつかった。
振られた分際(ぶんざい)だっていうのに、それにも関わらず外のゼミの男とは楽しそうに喋ってるのを見るのは辛かった。
それを紛らわすようにいつも以上に空手に没頭したり、悪友の切間(きりま)と騒いだり、普段はそうでもないのに、そのことを忘れられるような面白いことはないか探すように外をぶらついたりしながら毎日を過ごしていた。
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