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二日後。
仕事帰りに病院に寄った。
足首を固定していた簡易ギプスのようなものは外されたが、また包帯をぐるぐる巻きにされた。
「ほとんど腫れは引いたから、三日後くらいにリハビリ教えましょうかね。
金曜日に来られますか?」
「はい。大丈夫です」
「まだ、無茶はしないでね」
──私って、無茶するように見えるのかな?
なんて思いながら、先生のお茶目な表情につられるように、笑顔で「解りました」と応えた。
珠希の一件以来、真佑巳がマメにメールや電話をくれるようになった。
それはすごく嬉しいことだったけど、無理に気を遣わせてるようでもあり、つい『無理しないでよ。真佑巳メール苦手でしょ?』なんて、よけいなひとことを言ってしまったりした。
『アキラこそ、気ぃ遣うなよ』
真佑巳は事もなげに言ってくれるけど……。
どうしても、まだぎくしゃくしてしまう。
──時間をかけるしかないんだ。
時間が、珠希のことはいつか遠い過去にしてくれる。
おやすみ前の電話で、病院に行ったことを伝え、土曜日に真佑巳の部屋に行く約束をした。
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