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ぽつん、ぽつん、とコートの胸が雨粒に濡れたように色が変わっていて、私は自分が泣いていることに気づいた。
どおりで画面が白く歪んで、見づらいはずだ。
涙を流れるままにして、私はゆっくりと文字をつなげていく。
[真佑巳。
私、後悔してるよ。
真佑巳の気持ちを大切にできなかったこと。
もし、真佑巳から『おまえとは終わりだ』と言われたとしても、ってか、きっと言われるんだよね。
でも、それは私のせいだと思うから。
きっぱり突き放してくれていいから。
真佑巳の未来のために、私が前に進むために、どうかけじめをつけさせてください。
下で待ってるね。降りてきてくれるまで待ってる。]
読み返し、送信した。
携帯を閉じて涙を拭う。
メールを打ちながら、真佑巳とやり直すことは100%のうち99%不可能なんだと覚悟をした。
流した涙のほとんどは後悔の念と、大好きな真佑巳の笑顔が二度と見られない哀しさ。
それでも──どんなに厳しい顔をした真佑巳であったとしても、もう一度真摯に向き合いたい。
そう強く願う自分がいた。
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