6人が本棚に入れています
本棚に追加
『彼? もうすぐ40歳。バツイチなんだ。
でもすごく若く見えるよ』
「……そうなんだ」
『40にもなって、できちゃった結婚?
恥ずかしいからやめてよね』って言いたかったけど、やめた。
どうせヒカリに言っても無駄だ。
私たちは姉妹でも、価値観がまったく違う。
『急なんだけど、2月14日、土曜日に。案内状送るね。
軽装で平気だから。待ってるね』
「……わかった。
あ、結婚……おめでと」
『ありがとー。じゃね』
また急だこと。2週間後だ。
「なんだって?」
「ヒカリ、結婚するんだって」
「マジで? そりゃおめでとう」
キッチンに行くと、直子は手早くオクラと納豆を小鉢で和えていた。
「14日、披露パーティーだって」
「14日? 急だねぇ」
私は直子に事情を話す。
「やるなぁ、お姉ちゃん。アキラ、叔母ちゃんだ!」
「やめてよ。どうせかかわらないし」
「相変わらず冷たいね。
そろそろ仲良くしてもいいんじゃないの?
いい機会じゃん。兄弟はいいよ。
親は必ず先にいなくなるし、やっぱり最後に頼れるのは兄弟だよ。
一人っ子の私には羨ましいけどなぁ」
「直子には渡部くんがいるんだから、別に充分じゃない?」
最初のコメントを投稿しよう!