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ヒカリはとても幸せそうで、すごく綺麗だった。
光沢のある真っ白いワンピースの上に淡いラベンダー色のショールを羽織り、私の義兄になる人と並んで、友人たちに囲まれ談笑している。
明るいシルバーのスーツに身を包んだ義兄は、ヒカリが言っていたとおり見た目は30代前半くらいだったが、如何せんメタボ体型。
さぞかしコックコートが似合うのだろうと思わせる。
ヒカリが太った異性を伴侶に選ぶなんて想像もしなかったな。
義兄はヒカリにベタボレなのが一目瞭然だ。
目尻は下がり、鼻の下は伸びきっている。
──どうかずっとその大きな身体と穏やかな笑顔で、ヒカリを一生守ってやってください。
私は両親と同じテーブルについてイタリアンを堪能していたが、ほとんど平らげてしまうと居心地が悪くなり、トイレに立ったり外に出て煙草を吸ったりして時間を潰した。
お開きが近づくと、ヒカリが私たちのテーブルにやってきた。
「アキラ。今日はありがとね。
プレゼントまでもらっちゃって」
「いや。なにが必要か聞いとけばよかったよね」
「ううん。さっそく使わせてもらうよ」
ヒカリに送ったのは、キッチングッズだった。
あっても困らないような、タッパーやら瓶のセット。
「よかった」
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