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「そうだ、直子にメールしよう」
織人が前を向いたまま小さくうんうんとうなずく。
[無事、入籍したよ]
送信して1分とおかず直子からの着信が届いた。
私は苦笑しながら電話に出る。
「はい」
『こらぁっ!
なんなんだ、あの素っ気ないメールは!?』
「他にどう言えばいいのよ?」
『ぐっ……。
まぁいいや。長文メール送ってくるアキラなんて気持ち悪い』
「相変わらずひどい女だ」
『あはははっ。
おめでとう!
山下陽さん!!
待ちくたびれたぞっ』
「はは……。
ありがとう」
『早く子供産みなよ!』
「は? 気が早いから」
『のんびりしてると──』
「解った解った。その話はまたゆっくり」
電話を切ってしばらくぽけっとしていると、織人が「どうした?」と私の手を軽く叩いた。
「えっ!?
あぁ。……へへへ」
「怪しい人になってるぞ?」
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